Kubernetesではアプリケーションを「コンテナで動かす」だけではなく、「スケーラブルかつ信頼性のある運用」が求められます。

そのために使われるのが以下の4つのリソースです。

それぞれ、何をしているのか順番に見ていきましょう。

🔹 Pod：コンテナを動かす最小単位

• Kubernetesでコンテナを動かす単位は「Pod」です。
• Podは1つまたは複数のコンテナを含み、同じネットワーク空間・ボリューム空間を共有します。
• 通常は1Pod = 1コンテナ（Nginxだけなど）が基本です。

apiVersion: v1
kind: Pod
metadata:
  name: my-pod
spec:
  containers:
    - name: nginx
      image: nginx:latest

💡 ただし、Podは自己修復されません。障害で落ちたら手動で作り直す必要があるため、本番では使いません。

🔸 ReplicaSet：Podの数を維持する

• 「Podを3つ動かしてほしい」「落ちても自動で再起動してほしい」
• それをやってくれるのが ReplicaSet です。

apiVersion: apps/v1
kind: ReplicaSet
metadata:
  name: my-rs
spec:
  replicas: 3
  selector:
    matchLabels:
      app: nginx
  template:
    metadata:
      labels:
        app: nginx
    spec:
      containers:
        - name: nginx
          image: nginx

🎯 特徴：

• replicas: 3 → Podを3つ動かし続ける
• ラベルで管理 → matchLabels に合致するPodを監視

ただし、ReplicaSet単体では**更新ロジック（古いPod→新しいPod）**を持ちません。

🔶 Deployment：ReplicaSetをさらにラップし、ローリング更新もする

• Deploymentは 「アプリの理想状態」を宣言しておき、Kubernetesがそれを維持する仕組みです。
• 実際に作られるのは ReplicaSet → Pod という階層構造です。

apiVersion: apps/v1
kind: Deployment
metadata:
  name: nginx-deployment
spec:
  replicas: 3
  selector:
    matchLabels:
      app: nginx
  template:
    metadata:
      labels:
        app: nginx
    spec:
      containers:
        - name: nginx
          image: nginx:1.25

🔁 特徴：

• 新しいバージョンに変えたいときは、image を変更して apply するだけ
• 自動で ローリングアップデート（段階的に切り替え）
• 元に戻す（ロールバック）も可能！

💡 本番では基本的に Deployment を使います。

🟪 StatefulSet：順番・永続化が必要なサービス用

• Deploymentは「Podの中身は全部同じ」である前提ですが、**状態を持つアプリ（DBなど）**ではそうはいきません。
• StatefulSetは、順序・名前・ストレージの永続化などをサポートします。

apiVersion: apps/v1
kind: StatefulSet
metadata:
  name: web
spec:
  serviceName: "nginx"
  replicas: 3
  selector:
    matchLabels:
      app: nginx
  template:
    metadata:
      labels:
        app: nginx
    spec:
      containers:
        - name: nginx
          image: nginx

🧠 特徴：

• pod-0, pod-1 などの 一意な名前が付く
• 起動・停止順序を制御できる
• 永続Volume（PVC）と組み合わせるとDBのような「状態ありアプリ」も安全に動かせる

📊 まとめ：どれを使えばいいの？