さあ、GCPの旅を始めるにあたって、まず最初に理解してほしいのが「Google Cloud コンソール」と「GCPプロジェクト」という2つの概念です。例えるなら、Google Cloud コンソールはGCP全体の**「司令室」、そしてGCPプロジェクトはあなたの作業を整理するための「作業空間」**のようなものです。
Google Cloud コンソール:あなたのGCPの「司令室」
Google Cloud コンソールとは、簡単に言えば、GCPの全てのサービスを操作・管理するためのウェブベースの管理画面のことです。あなたがGCPを触り始める時に、最初にアクセスする場所になります。
イメージしてみてください:
あなたが宇宙船のパイロットで、宇宙船全体を操作するコックピットに座っているとします。そのコックピットにあるたくさんのボタンやモニター、レバーが、まさにGoogle Cloud コンソールです。
- 何ができるの?
- 仮想マシンを立ち上げたり、停止したり。
- データベースを作成したり、データを保存したり。
- アプリケーションのログを確認したり、監視設定を行ったり。
- もちろん、GCPの利用料金を確認したり、プロジェクトの設定を変更したりもできます。
- どこからアクセスするの?
- ウェブブラウザ(Chrome, Firefox, Edgeなど)で
console.cloud.google.com
にアクセスし、あなたのGoogleアカウントでログインするだけです。
- ウェブブラウザ(Chrome, Firefox, Edgeなど)で
- ここがポイント!
- GCPのサービスは非常に多岐にわたりますが、コンソールを通じて直感的に操作できるのが大きなメリットです。
- ただし、慣れてくると、コマンドライン(後述のCloud SDK)を使う方が効率的になることも多いです。コンソールは、まずGCPの全体像を掴むのに最適です。
GCPプロジェクト:あなたのGCPの「作業空間」
次に、GCPプロジェクトについてです。これは、GCPのリソースを整理・管理するための論理的なグループと考えると分かりやすいでしょう。GCPで何かを始める際には、必ずこの「プロジェクト」を作成する必要があります。
イメージしてみてください:
あなたが複数の異なる種類の工作(例えば、木の模型作り、電子回路の組み立て、絵を描くこと)に取り組んでいるとします。あなたはそれぞれの工作に必要な材料や道具を、ごちゃごちゃにせず、別々の箱や作業台に分けて整理しますよね?
この「箱」や「作業台」が、まさにGCPの「プロジェクト」です。
- プロジェクトの構成要素
- プロジェクト名: 人間が識別しやすい名前(例: “My First Web App”)
- プロジェクトID: グローバルで一意の、自動生成または指定可能な文字列(例: “my-first-web-app-12345″)。これはGCP内でプロジェクトを識別するためのユニークなIDで、変更できないことが多いです。
- プロジェクト番号: グローバルで一意の、Googleによって自動生成される数値。
- なぜプロジェクトが必要なの?
- リソースの隔離: プロジェクトごとにリソース(仮想マシン、ストレージ、データベースなど)が完全に隔離されます。これにより、あるプロジェクトのリソースが、別のプロジェクトに影響を与えることがありません。
- 課金の単位: GCPの利用料金は、プロジェクトごとに計算されます。複数のプロジェクトがあれば、どのプロジェクトでどれくらいの費用がかかっているかを明確に把握できます。
- 権限管理の単位: 誰がどのプロジェクトに対して、どんな操作(仮想マシンを起動する、ストレージにアクセスするなど)を許可されるかは、プロジェクト単位で設定します。これが非常に重要で、後で学ぶIAM(Identity and Access Management)の基礎となります。
- 開発環境の分離: 例えば、「開発環境用プロジェクト」「ステージング環境用プロジェクト」「本番環境用プロジェクト」のように分けることで、誤操作を防ぎ、安全に開発を進めることができます。
- 実際の使い方
- GCPコンソールにログインすると、左上にあるプロジェクトセレクタから、現在選択されているプロジェクトを確認・切り替えることができます。
- 新しいGCPサービスを使う前に、まずは「新しいプロジェクト」を作成することが最初のステップになるでしょう。
まとめ:コンソールとプロジェクトの関係性
Google Cloud コンソールは、GCP全体の操作パネルであり、その中であなたはプロジェクトという「作業空間」を切り替えて、それぞれのリソースを管理していくことになります。
まずは、Google Cloud コンソールにアクセスし、最初のプロジェクトを作成してみることをお勧めします。実際に手を動かしてみると、これらの概念がより深く理解できるはずです!