Kubernetes の設定を管理・反映していく上で、kubectl コマンドは欠かせません。特に、日常的な運用でよく使うのが：

• kubectl apply
• kubectl diff
• kubectl delete

この3つの役割と使い分けを理解することで、マニフェストの運用がグッとスムーズになります。

🔹 kubectl apply：マニフェストの適用（＝反映）

kubectl apply -f deployment.yaml

• apply は YAMLファイルに書かれた内容をクラスタに反映します。
• すでに存在しているリソースがあれば 差分を反映（上書き） し、無ければ新規作成します。
• デプロイや設定変更のたびに基本的にこれを使います。

✅ よく使うオプション：

kubectl apply -f .  # ディレクトリ内のすべてのマニフェストを適用

🔹 kubectl diff：変更点の事前確認

kubectl diff -f deployment.yaml

• 現在のクラスタの状態と、マニフェストで適用しようとしている内容の差分を確認できます。
• git diff に近い感覚で使えます。
• CI/CD の前に差分を確認したいときに便利。

📌 注意：

• kubectl diff は 実際の変更を加えません。確認だけ です。
• 変更がない場合は何も表示されません。

🔹 kubectl delete：リソースの削除

kubectl delete -f deployment.yaml

• マニフェストファイルに対応するリソースを クラスタから削除します。
• 主に一時的なテストリソースや不要になった設定を消すときに使います。

✅ よく使う例：

kubectl delete deployment my-deployment
kubectl delete pod mypod --namespace=test

🧩 運用のベストプラクティス

💡 実践Tips

• Git管理しているマニフェストを使って「GitOps」的に運用する場合、この3つは不可欠です。
• kubectl apply -f . を定期的にCIパイプラインに組み込むと、定義と現実がズレない運用が可能です。
• kubectl delete -f は事故につながることもあるので、削除前に kubectl get や kubectl describe で状況確認を！

📘 例：差分確認 → 適用 の流れ

kubectl diff -f deployment.yaml     # まずは差分確認
kubectl apply -f deployment.yaml    # 問題なければ適用

🧹 リソース整理にも delete を

特に test, dev 環境では、不要になったリソースをこまめに kubectl delete することで、クラスタをクリーンに保つことができます。

🧭 まとめ

• kubectl apply は 現実をマニフェストに合わせるコマンド
• kubectl diff は 安全な確認
• kubectl delete は 削除の明示的操作

この3つをうまく使い分ければ、Kubernetesの運用が安定し、ミスも減らせます。