✅ 1. GitOpsってなに?
GitOps(ギットオプス)は、「Gitリポジトリを単一の信頼できる情報源(Single Source of Truth)として使い、インフラやアプリのデプロイ・管理を自動化する運用スタイル」です。
もっと簡単に言うと、「GitにYAMLを書いてpushすると、自動でKubernetesに反映されるようにする運用」のことです。
💡 2. どうしてGitOpsが注目されているの?
Kubernetesのような動的なシステムでは、リソース定義(YAMLファイル)が複雑になりがちです。
運用の中で、こんな悩みはありませんか?
- 手動の
kubectl apply
で本番環境が壊れてしまった… - 誰がどの設定を変えたのか分からない…
- 本番環境とGit上の設定がズレている…
👉 これを解決してくれるのが GitOps です!
⚙️ 3. GitOpsのしくみ(基本の流れ)
GitOpsでは、次のような仕組みを取ります:
- Gitにマニフェスト(YAML)を管理
- 例:Deployment、Service、Ingressなど
- CI/CDツールやGitOpsツール(Argo CDやFluxなど)がGitを監視
- Gitの変更を検知して自動でKubernetesへ反映します
- Kubernetesの状態がGitとズレたら、自動的に修復する(自己修復)
- つまり「Gitに書かれたとおりの状態を保つ」ということです
🛠️ 4. GitOpsを支える代表的なツール
ツール名 | 概要 |
---|---|
Argo CD | Kubernetes用のGitOpsツール。Gitの変更を監視し、自動で反映。Web UIあり。 |
Flux | CNCFが公式に支援する軽量なGitOpsツール。 |
Kustomize | YAMLの差分管理や環境ごとの設定を柔軟に扱えるツール。GitOpsと組み合わせてよく使われる。 |
✨ 5. GitOpsのメリット
- ✅ 自動化:Gitにpushすれば反映される。手動操作が減る
- ✅ 再現性:Gitに全設定があるので、同じ環境を何度でも作れる
- ✅ 変更履歴の可視化:
git log
やPull Requestで変更のレビュー・追跡ができる - ✅ 安心してロールバック:過去のコミットに戻せば即復旧
🔥 6. こんな運用が可能に!
GitOpsを導入すると、以下のような運用スタイルが実現できます:
- 開発者が Pull Request を出すと、自動でステージング環境にデプロイ
- 本番環境は保護ブランチにマージしない限り変更されない
- マニュアル作業不要の完全自動化CI/CDパイプライン
🧩 7. GitOpsとCI/CDとの違い
項目 | CI/CD | GitOps |
---|---|---|
主な目的 | ビルド〜デプロイの自動化 | Kubernetes運用の状態管理 |
トリガー | Pushやマージ | Gitの状態とKubernetesの状態の比較 |
反映方向 | Git → CI/CD → Kubernetes | Gitを「真実」とし、Kubernetesを合わせる |
※GitOpsはCI/CDの中の「CD(継続的デリバリー)」に特化した形とも言えます。
🧪 8. 小さく始めるには?
kubectl apply
の代わりにArgo CD
を入れてGit管理に切り替えるだけでも効果あり- 開発環境などから段階的に導入していくのがオススメです
🔚 まとめ
- GitOpsとは「Gitに書いた設定=クラスタの状態」とする運用モデル
- 手動操作を減らし、自動化・再現性・安全性を向上できる
- Argo CDやFluxなどのツールが支援してくれる