✅ はじめに:GitOpsのおさらい
前章で学んだように、GitOpsとは「Gitリポジトリに記述された状態をもとに、Kubernetesクラスタを自動的に構成・維持する運用モデル」です。
このGitOpsの実現を支える代表的なツールが、Argo CDとFluxです。
🚀 Argo CDとは?
Argo CD(アーゴ・シーディー)は、Kubernetes向けに作られたGitOps専用のCDツール(継続的デリバリー)です。
🌟 主な特徴
- ✅ GitリポジトリとKubernetesを自動で同期
- ✅ 変更があると自動的にデプロイ
- ✅ Web UIでデプロイ状況や差分を視覚的に確認
- ✅ Helm、Kustomize、Ksonnet、Plain YAMLなど多様なマニフェスト形式に対応
🖥️ 画面イメージ(例)
Web UIでは次のようなことが可能です:
- 各アプリケーションの状態を一覧表示
- YAMLの差分(GitとK8sの違い)を視覚的に確認
- ボタン一つで手動同期・ロールバック
⚙️ Fluxとは?
Flux(フラックス)は、CNCF(Cloud Native Computing Foundation)によりホストされている、もう一つの人気GitOpsツールです。
🌟 主な特徴
- ✅ 軽量でシンプルな設計
- ✅ Kustomizeと高い親和性
- ✅ GitOps Toolkitを中心に拡張性が高い(Flux v2)
- ✅ CLIベースの運用に向いている
📚 FluxとArgo CDの違い
比較項目 | Argo CD | Flux |
---|---|---|
UI | あり(Web UIで管理しやすい) | なし(CLIとYAML中心) |
初心者向け | ◎(可視化しやすい) | ○(シンプルだがUIがない) |
運用形態 | アプリごとに定義(App単位) | GitリポジトリやKustomization単位で管理 |
主な強み | 見える化、直感操作 | 軽量・CLI中心・柔軟な構成 |
🔍 どちらを選べばいい?
- 🌱 初学者~小規模プロジェクト → Argo CD
- 見た目で分かりやすく、GitOpsのイメージをつかみやすい
- 🔧 CLI好き・拡張性重視 → Flux
- より細かくGitOps構成をコントロールしたい人向け
✨ 共通のメリット
どちらのツールを使っても、以下のようなGitOpsの恩恵が得られます:
- ✅ Gitにpushすれば自動反映
- ✅ 手動ミスの防止、環境の一貫性確保
- ✅ 差分の検知と自動修復
- ✅ インフラの変更履歴をgit logで追跡
🔚 まとめ
ツール | 概要 |
---|---|
Argo CD | Web UIあり。初心者にもわかりやすく、導入もスムーズ。 |
Flux | 軽量でCLI・YAML運用が中心。より柔軟な構成管理が可能。 |