Kubernetesクラスタを操作するための最重要ツールが kubectl です。
これは「Kubernetes APIサーバーと対話するためのコマンドラインツール」で、ほぼすべての操作がこれを通じて行えます。

ここでは、特に使用頻度が高く、トラブル対応でも役立つ基本4コマンドを紹介します。

🔍 1. kubectl get：リソースの一覧を確認する

Kubernetes上で動いているPodやService、Deploymentなどのリソースを一覧で確認できます。

kubectl get pods                # Pod一覧を表示（カレントnamespace）
kubectl get pods -n kube-system # kube-system namespace のPod一覧
kubectl get svc                 # Service一覧
kubectl get deployment          # Deployment一覧

目的：何が動いているのか、今の状態は正常かをざっくり見る

よく使うオプション：

• -A（全namespace）
• -o wide（IPアドレスやノード情報など詳細付き）

🧾 2. kubectl describe：リソースの詳細情報を確認する

あるリソースの状態やイベント履歴、関連するオブジェクトを詳しく知りたいときに使います。

kubectl describe pod my-pod-name

• 表示される内容：
  • Podの状態（Running / Pending / Failed）
  • コンテナのイメージ、マウント情報
  • 最後に発生したイベント（失敗理由など）
• トラブル時に特に有効：
  • Podが起動しない
  • イメージが見つからない
  • マウントエラーなどの確認に最適

📜 3. kubectl logs：アプリケーションログを確認する

Pod内で動いているアプリケーションの標準出力/標準エラーを取得します。

kubectl logs my-pod-name

複数コンテナがある場合：

kubectl logs my-pod-name -c コンテナ名

リアルタイムで監視：

kubectl logs -f my-pod-name

よくある使い方：

• Webアプリのエラーメッセージを見る
• バッチ処理の進行状況を見る
• 起動直後にクラッシュした理由を探す

🛠️ 4. kubectl exec：Pod内でコマンドを実行する

Podの中に入り込んで、直接 ls や cat、curl などを実行できます。まるでリモートシェルのように使えます。

kubectl exec -it my-pod-name -- bash

• -it はインタラクティブモードで接続するためのオプション
• -- の後にシェルコマンドを記述
• 具体的な利用例：
  • 環境変数の確認：env
  • ログファイルの中身を見る：cat /var/log/...
  • ネットワーク疎通確認：curl や ping

✅ まとめ：この4つでKubernetesの観察とデバッグができる！

💡 補足Tips

• 使い慣れてきたら alias k=kubectl を設定すると操作が楽になります。
• kubectl get all で主要リソースまとめて見られます（ただしPod以外も混在）。
• 実際に使うときはリソース名の補完が面倒なので kubectl get pods | grep や watch コマンドと組み合わせると便利です。