mh☕ Espressoとは？
Espresso（エスプレッソ） は、Google が提供する Android の UI テストフレームワーク です。
Java の単体テスト（JUnit）では画面の操作はできませんが、Espresso を使えば実際のユーザー操作を自動化してテストできます。
たとえば…
- ボタンを押す
- テキストを入力する
- 別の画面に遷移する
- 表示されているテキストを確認する
といった処理を 自動で実行して検証できます。
🔍 なぜ必要なのか？
画面をタップして確認する手動テストは…
- 時間がかかる
- ミスが起きやすい
- リファクタで壊れても気づけない
という課題があります。
Espresso による UI テストを使えば、アプリの画面遷移や表示状態をコードで保証できるため、信頼性の高い開発が可能になります。
⚙ セットアップ
build.gradle に以下を追加します：
android {
defaultConfig {
testInstrumentationRunner "androidx.test.runner.AndroidJUnitRunner"
}
}
dependencies {
androidTestImplementation 'androidx.test.espresso:espresso-core:3.5.1'
androidTestImplementation 'androidx.test.ext:junit:1.1.5'
}UIテスト用のコードは src/androidTest/java/ に書きます（test/ ではなく）。
👀 基本構文
Espresso は以下のような構文で操作します：
onView(withId(R.id.button))
.perform(click());
onView(withId(R.id.textView))
.check(matches(withText("Hello")));読みやすいように整理すると：
| 処理 | メソッド例 | 説明 |
|---|---|---|
| UI要素の取得 | onView(withId(...)) | ボタン、テキストなどの要素を指定 |
| 操作 | .perform(...) | クリック、入力などの操作 |
| 検証 | .check(...) | 表示内容や状態を確認 |
🧪 サンプル：ボタンを押してテキストが変わる
テスト対象のActivityのコード
public class MainActivity extends AppCompatActivity {
@Override
protected void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
super.onCreate(savedInstanceState);
setContentView(R.layout.activity_main);
Button btn = findViewById(R.id.button);
TextView txt = findViewById(R.id.textView);
btn.setOnClickListener(v -> txt.setText("Hello Espresso!"));
}
}Espressoテストコード
@RunWith(AndroidJUnit4.class)
public class MainActivityTest {
@Rule
public ActivityScenarioRule<MainActivity> rule =
new ActivityScenarioRule<>(MainActivity.class);
@Test
public void testButtonClick_changesTextView() {
// ボタンをクリック
onView(withId(R.id.button)).perform(click());
// テキストが変更されたかを確認
onView(withId(R.id.textView))
.check(matches(withText("Hello Espresso!")));
}
}💡 よく使う操作例
| 操作 | コード例 |
|---|---|
| ボタンを押す | perform(click()) |
| テキスト入力 | perform(typeText("Hello")) |
| ソフトキーボードを閉じる | perform(closeSoftKeyboard()) |
| 表示されていることを確認 | check(matches(isDisplayed())) |
⚠ Javaエンジニア向けの注意点
- JUnitとは別のランナー（InstrumentationRunner）で動きます。
- UI を実際に操作するため、エミュレータや実機が必要です。
- Android Studio の
androidTestタブから実行します。 - テストは Activity 起動後に実行されるため、UIの準備が整うまで待機処理が自動で入るのが Espresso の強み（Wait不要）。
✅ まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 画面操作、UI表示確認など |
| ツール | Espresso（Google製） |
| 記述場所 | src/androidTest/java/ |
| 実行方法 | Android Studio or CLI からエミュレータ/実機で実行 |
| 特徴 | 実ユーザー操作に近いテストができる。UIの状態に賢く同期してくれる。 |
💬 補足
- 画面遷移のテスト（Intentの発行確認）には
Intentsライブラリも使えます。 - MVVM構成では ViewModel をユニットテストし、UIレイヤーだけ Espresso でテストする分担が理想です。
